
2016年4月1日、LJL2016 Summer Splitの出場権をかけた戦い”LJL2016 Spring Promotion Series”が終了した。
今回の試合の結果、LJL2016 Summer Splitの出場権を得たチームは”BlackEye”、”SCARZ”となった。惜しくも敗北した”Rascal Jester”、”Dragonfly Gaming”については、まだチームからの発表はないが恐らく今後もLJLの2部リーグである”LJL Challenger Series”で活動していくと見られている。
5時間にも及ぶ死闘
Rascal Jester(以下RJ) vs SCARZの試合においては、両者一歩も譲らず5回も試合が行われるまでもつれ込み、計5時間に及ぶ長丁場となった。
途中で体調不良を訴える選手まで現れ一度試合が中断したことから、どれほど彼らが疲弊していたかがわかるだろう。
ラスボスと化すVeigar(Search選手)
5時間も続いた戦いに、たった一発のスタンが終止符を打った。
BO5の決着をつける運命の最終戦。試合時間31分の時点でSCARZが7000ゴールド以上の差をつけて圧倒的有利に立つ。試合でなければSurrender(降参宣言)をしてもおかしくはない。
しかしその後バロンファイトでRJがSCARZ側のキーマンであるVeigar(Search選手)のポジションミスを見逃さず真っ先に倒し、バロンバフを得たことで形勢を逆転させる。

ゲーム後半に強いveigar。5試合目のSearch選手は、まさにラスボスと呼ぶにふさわしいほどの存在感だった。
そして試合時間は長引き40分以上経過。双方の装備も整い、お互いたった一つのミスがそのまま敗北となる状況となった。
そこで放たれたのがVeigarの広範囲スタンだ!
RJのキャリーLulu(Aripo選手)にヒットし、その恐ろしい瞬間火力で一瞬にして溶かされてしまった。
SCARZはこの機を逃すまいと一気に畳み掛ける。Luluに続いてRJのキャリーであるKalista(Rkp選手)も捕え、Veigarのスキル一発でHPの7割を持っていき、Kalistaを瞬殺。
この攻防が決定打となり、SCARZは試合に勝利。LJL一部リーグへの出場権を手に入れた。
これまで「他のゲーム部門は強いがLoL部門はイマイチ」と言われてきたSCARZの快進撃。そして、2013年からLJLで第一線を走り続けてきたRascal Jesterが「2部リーグ降格した」という事実に多くのファンが驚愕した。
全敗からの初白星。進化を続けるBlackEye
そして忘れてはならないのは3月31日に行われた「BlackEye(以下BE) vs Dragonfly Gaming(以下DFG)」の試合だ。
今シーズン、LJL一部リーグでは一度も白星を上げることができなかったが、確実に実力をつけてきて多くのファンから期待されているBE。対するのは、様々な物議をかもしながらも確かな実力で2部リーグ1位抜けを果たしたDFGだ。
大会が配信された動画サイトTwitchでは、総視聴回数が1万回を超えるほどの注目試合となった(LJL一部リーグの開幕戦ですら4000回程度なのに!)。
試合結果はなんとBEが三立てで勝利し、ファンからは拍手喝采の嵐!
強豪チームにも引けを取らない序盤の試合づくりを生かしきり、一度も逆転させることなく試合を終わらせた。
一部リーグで無勝(10連敗)だったというこれまでの試合結果から考えれば、選手たちは意気消沈しそうなものだが、むしろ彼らはそれらをバネにし成長を続けていたようだ。来シーズンのLJLで彼らが下克上を果たす可能性を感じさせる試合内容だったと言えるだろう。
そして2部リーグ1位通過したDFGにとっては非常に悔しい結果となってしまった。
スターティングメンバーのH1RoN選手の不在が影響し、チーム本来の実力を発揮できなかったことも敗因のひとつだ。今回の反省を活かし、来期はきっと万全な体制で挑戦する姿を見せてくれるだろう。
熱い想いを胸に
チームも昇格・降格がかかった試合だっただけに、選手・観客の熱量は凄まじいものだった。
先日、RJの選手たちがスポンサー企業に対して「恩返しができなかった」という思いを告げたが、彼らが戦う理由はもはや自分たちが「ゲームをしたい」というだけではなくなっている。
彼らが今まで受けた”スポンサー達への恩”、”チームや大会運営をしている裏方への恩”、”仲間への恩”、”友人やファンからの期待”。そういったものに報いるために、責任を果たすために、今までのどの試合よりも真剣に挑んだに違いない。
様々な想いを胸に秘め、全力で戦い抜いた選手たちに心から拍手を送りたい。